2014年6月19日木曜日

本名

結婚して苗字が伊藤から大山になった。
結婚して良かったことの一つは名前の筆記が信じられないくらい楽になったことだ。
総画数を調べたらおよそ半分になっていた。

大体、伊藤とか加藤とか、藤の付く苗字は非常に筆記が面倒くさい。
(多分、一番面倒なのは新旧字体のバリエーション含め斉藤だと思う)
それに比べて、大山はなんて楽なんだろう。
小学校一年生で習う漢字で全てが構成されている上に、シンメトリー。
サイン代わりのシャチハタ印を探すより、最初からサインを書いてしまった方が圧倒的に楽。

伊藤の文字は画数が多い上にバランスが取り辛く、
28年間四苦八苦し続けたが、結局上手く書けるようにはなれなかった。
そこへ来て思いがけず大山である。
バランスもなにも、大と書いて山と書けばそれで終わりなのだ。
この解放感はちょっと筆舌に尽くしがたい。
伊藤から大山になってみないことにはきっとわからない。

一人ひっそりとこの解放感を楽しみ続け、およそ半年が経った先週、
仕事か何かの電話だったろうか、口頭で名前の確認を求められる機会があった。
伊藤という苗字は大変一般的であるものの、口頭で説明するのが微妙に煩わしい。
「伊賀忍者の伊に藤原道長の藤で伊藤です」ではわかりにくすぎるので
「にんべんの伊、にフジの花の藤、で伊藤です」という場合が多いが、いまいちスッキリしない。
このあたりに関しても今までもやもやしながら生きてきたのだが、先週は先方から

「オオヤマさまの漢字は、大きな山、と書いて大山でよろしいですか?」

と確認された。
なんて分かりやすい説明で済む苗字をしているんだ私は。
そして改めて説明されてみると、なんて単純な苗字なんだ。
なんだか急に恥ずかしくなり、小声で「はい…」と返事をした。
大山と言う苗字とは正反対のスケール感の発声であった。

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